第6回:なぜ、婚約指輪と言えばダイヤモンドなのか!?

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前回はマーケティング活動のさわりの紹介をしました。ここから先は私の自己紹介も兼ねてマーケティングはどういうことをやるのか、という話を少しします。

 

私自身は学生の頃からマーケティングを勉強していたわけではなくて、学生の頃は皆さんと同じような理工系の人間でした。僕は理学部の物理学科だったのですが、どちらかというと工学系ではなくて宇宙論とかをやっていました。

 

そんなわけで大学の頃は全くマーケティングとか興味がなかったのですが、何が起こったのか経営コンサルティング、マッキンゼーとかボストンコンサルティングとか聞いたことあるかもしれませんが、経営コンサルティングの会社に就職した関係で色んなマーケティングプロジェクトをやることになりました。独立してからも、マーケティングのプロジェクトをやっています。

 

マーケティングをやるにはそもそもトレンドを知らなくてはならないということで、自分の訓練のために、女性向けファッション雑誌のトレンド分析をやったこともあります。当時はアマゾンがなかったので書店に行って、30冊くらい女性誌を店員さんに変な目で見られながら買ってきて読みまくる、ということもやりました。これもマーケティングに役立つ一つの分析なんですけどね。今はウェブの時代になってきたから、ちょっと違うかもしれません。

 

それから、30~50代の女性に集まってもらって色々話を聞いて、アンケートをやったり、グループインタビューをしたりして、新商品のアイディアを開発するということもやりました。

 

とある企業のブランド戦略を作るということもやりました。ブランドをどう育てていくか、どうやって価値を維持していくか、ということを考える仕事です。

 

それからインドで仕事をしていたこともありまして、インドに実際行ってみて何がどれくらいの値段で、どこで売られているのか、いわゆる4Pを調査したりもしました。

 

ここでちょっと質問してみたいのですが、皆さん婚約指輪は何を贈りたいですか?婚約指輪と言えば何ですか?

 

学生:給料三か月分。

 

確かにそうですね。宝石の名前で言うと何ですか?三か月分もする宝石ですけれど。

 

学生:ダイヤモンド。

 

ダイヤモンドですね。ダイヤモンド以外のイメージわく人います?

 

学生:金

 

金ですか。なるほど面白いですね。

 

学生:チタン

 

おぉー。色々出てきますね。一般的にはダイヤモンドですよね。何故みんな婚約指輪はダイヤモンドだと思っているか知っています?いつからそうなったんですか?これは昔からそうだったわけではないんですよ。昔は買えないですからね。何で婚約指輪はダイヤモンドだという常識みたいになっているか知っています?

 

これはマーケティングなんですよ。デビアスという会社を知っていますか?銀座にもお店がありますけど。ダイヤモンドの鉱山から掘り起こしてきて磨いて市場に出す、ということをやっていて、有名なお店で売っているダイヤモンドも実はデビアスが供給していたりします。デビアス自体も宝石を売っています。銀座にすごい高級そうなお店があって、そこに行けばデビアスのダイヤモンドを見ることができますが、『婚約指輪はダイヤモンド』というイメージを作るのに一役買っているわけです。

(注:いまは閉店しています)

 

企業というのはこのようなマーケティング戦略を世界中でやっています。日本人もいつの間にかそれに洗脳されて、婚約指輪はダイヤモンドだと思っているのかもしれませんね。でもそれはあくまで巨大企業が作り出したイメージなんです。バレンタインはチョコを贈る、とかと一緒です。

 

インドでは婚約したら何を贈るか知っています?今言ってくれたものですが、インドでは金を贈る習慣があります。インドは人口はいっぱいいますよね、十何億いるんです。若い人ばかりです。インドはすごい魅力的な市場なんですね。という所で、金ではなくてダイヤを贈りましょうという習慣を作ると、どうなると思います?マーケティングとはそういうことを考えたりします。