第2回:マーケッター的発想

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ところで皆さん、『100円のコーラを1000円で売る方法』という本があるのですが、聞いたことありますか?読んだことがあるという人いますか?一度読んでみるといいと思います。読んだことのない人、どうやって100円のコーラを1000円で売るか知っている人いますか?

 

学生:100円のコーラを1000円であると思わせることです。

 

思わせることですね。それはどうやればできると思います?

 

学生:例えば富士山みたいなところだと1000円でも買う、みたいなことです。

 

はい、そうですね。1つの答えだと思います。今のは、マーケティングの1つの考え方ですね。でも、この本に出てくる答えはちょっと違います。その答えは敢えて言いませんけれども、講義の中でぜひ皆さんも考えてみてください。今の富士山で売る、というのは一つ良い答えだと思います。ただこの本はちょっと違う売り方をして、1000円で100円のコーラを売っています。

 

という話を踏まえた上で、さらにマーケティングとはどういうものかを皆さんに考えてもらいたいです。ちょっとテストをします。テストと言っても点数を付けたりするものではありません。ここで皆さんに質問するので、自由に挙手をしてもらえればいいと思います。

まずこの質問をします。

 

マーケティング発想テスト

①番目。『作ったものが余ってはもったいない。値下げして、とにかく全部売り切るべきだ』

売り切るべきだと思う人?売り切るべきではないと思う人?

結構半分半分くらいに割れましたね。どっちの方がマーケティング発想かというのがあることはあるのですが、今の段階では言わないので、少し考えてみてください。

 

②番目。『日本のメーカーが作ったものは高品質だから、高い値段で売れる』

○か×か。○だと思う人?これはあまりいないですね。×だと思う人?×が圧倒的に多いですね。

 

③番目。『出来るだけ多くの人、いろんな人に売れるものの方が良いに決まっている』

○か×か。○だと思う人?×だと思う人?これは○の方がちょっと多いですね。

 

④番目。『お得意さんは放っておいても大丈夫なので、新しいお客さんに注力すべきだ』

○か×か。○だと思う人?×だと思う人?×の方が多いですね、面白いですね。

 

⑤番目。『この値段で売れなくても、値段を下げれば必ず売れるに違いない』と思う人?思わない人?思わない人の方がだいぶ多いですね。何か根拠がある人います?

 

値段をどんどん下げている物って何か思い浮かぶものありますか?あるいは値段を下げていたな、という過去形でも良いです。

 

学生:ハンバーガーですか。

 

ハンバーガーですね。値段下げたら売れました?

 

学生:売れました。

 

売れました?今もですか?

 

学生:今は売れなくなりました。(2016年当時)

 

今は売れなくなりましたか。一体どっちなんだと皆さん思ったと思いますが、それは考えてみましょうね。

 

⑥番目。『安く売るから利益が出ないんだ。値段を上げれば自ずと利益は上がる』

そう思う人?思わない人?思わない人が圧倒的に多いですね。何か根拠を言える人いますか?実例で思い浮かぶものあります?

 

ハンバーガーと似ているのですが、牛丼チェーンとかも似たようなことをやるのですね。牛丼チェーンが値段を上げて利益が下がったという事例がこれまでにありました。1店舗ではなく、会社全体として見れば、の話ですが。

 

正解を言うつもりはないのですが、さっきのハンバーガーの例もそうですけど、値段下げたら売れた時も当然あるわけです。一概には言えないけどマーケティング発想と言われるのはどちらか、一応の答えはあります。それについては今後皆さん勉強していきましょう。

 

頭の体操として考えてみてくださいね。これは結構大事なことで、判断難しいのです。値段を上げるべきか、下げた方がいいか、ということは結構難しいことなので。頭の片隅に置いておいてください。

 

もう一つエピソードを紹介します。主に製造業を思い浮かべてください。当然、開発部が商品開発をするわけです。営業は売りたいから「あれも付けてこれも付けて色んなものつけてくれ、値段も下げてくれ」と言ってくるけれど、開発部は大体「そんなのは無理だ」と言い返す。製造業でよくある姿です。営業の人は、開発部とも交渉してとにかく実現してもらいたい、と思っているわけですね。

 

あとは値段。これも典型的な営業発想の人ですけれど、お客様の予算より高いということで、値段を下げることも営業の腕の見せ所だ、と言う人がいます。それに対して、「そんなことしてうちは儲かる?」と言う人がいます。それに対して営業は「大丈夫。そもそも契約取れないと話にならない。少々怒られても契約さえ取れれば社内はみんな納得する。」と。営業はこういう人が多いです。

 

こういったエピソードも頭に置きつつ考えてもらえればと思います。今日のところは皆さんの頭の中をかき回すだけで何も答えは出てこないのですが、とにかくマーケティングとは何だと考える材料を提供していきたいと思います