書評:AIにできなくて、人間がすべきこと

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今回の記事:Ajay Agrawal, Joshua Gans and Avi Goldfarb (Jul 26, 2017), “How AI Will Change the Way We Make Decisions,” Harvard Business Review https://hbr.org/2017/07/how-ai-will-change-the-way-we-make-decisions , Jul 28, 2017

 

私たちは日々、様々な場面で「意思決定」を迫られます。4歳の息子が食事中に甘いジュースを飲みたがっているが、飲ませるべきか。目の前にいるお客さんが値引きを要求してきているが、対応すべきか。簡単な例のように見えて、実はそんなに単純ではありません。

 

4歳の息子がスイーツばかり食べて、野菜を食べなくなったらどうしよう。ご飯の時はお茶にすべきじゃないか。こんなに甘やかしていて父親として良いものか。

 

このお客さんは長年の馴染み客だけど、これは法外な値引き要求ではないか。今回は良いかもしれないが、今後ずっと良い関係を維持していけるのか。弊社に利益をもたらしてくれるのか。

 

単純に見える「意思決定」も実はその背後に様々な「価値判断」を含んでいることが分かります。今回ご紹介する記事によれば、まさにこの「価値判断」が、(少なくとも今のところ)AIが苦手とするところのようです

 

例えば囲碁は比較的、「価値判断」が不要です。少なくともゲームのルールはハッキリしていますので、いくつもの手を「予測」しなければならないとはいえ、AIにも「意思決定」が可能です。むしろ、いくつもの手を「予測」する仕事は、人間よりもAIが説く得意とするところです

 

そうだとすると、人間としては「予測」はAIに任せ、「価値判断」に特化した方が良いと言えるかもしれません

 

近視眼的にならず、よくよく全体を見渡して、中長期的観点からも判断する。単純な1種類の「得点」で判断するのではなく、多様な価値観を考慮して判断する。それこそが、人間の仕事なのかもしれませんね