書評:働き方改革には、会社と社員の「目的の調和」が重要

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今回の書籍:「スター主義経営 プロフェッショナルサービス・ファームの戦略・組織・文化」ジェイ・W・ロッシュ+トーマス・J・ティアニー著、山本真司+大原聡訳、東洋経済新報社、2007年11月15日発行

 

「プロフェッショナルサービス・ファーム」とは伝統的に、マッキンゼーやボストンコンサルティンググループのようなグローバル経営コンサルティング・ファームやプライベート・エクイティ・ファーム、弁護士事務所、会計士事務所といった何らかの専門性を持つ人たちが形成する会社のことを指します。

 

一般の読書にとっての本書の価値は、こうした「プロフェッショナルサービス・ファーム」の経営のあり方から学ぶことがあるのか。あるとすればどういう何か。というところでしょう。

 

私自身、米系プロフェッショナルサービス・ファームでの勤務経験がありますが、そのマネジメントのあり方は、日本の会社とは大きく異なるように思えます。

 

そのような認識にも拘わらず、いくつか敷衍できることがありそうです。例えば、

 

スター社員の「自分のやりたいこと」と「組織の目指す方向性」が「調和」している企業が競争を勝ち抜く

 

という点。今後、働き方改革を通じて日本企業と社員の関係はますます「ゆるい」ものになっていきます。それはある意味、プロフェッショナルサービス・ファームの社員(いつでも転職しかねない)と会社の関係と似ています。

 

働き改革を推進していきつつ、会社として業績を上げていくためには、トップダウンの号令で「右向け右」で動く組織ではなくて、個々の社員と会社の方向性を「調和」させていくことが重要となっていくでしょう

 

この本によれば、「調和」は「リーダーシップ」「構造・ガバナンス」「人事制度」「企業文化」の4つの要素から生まれます。この4つを生かしてこそ、社員と会社の目指す方向性を一致させることができるのだそうです。

 

その秘訣は          「スター主義経営」を紐解いてみてください。