書評:女性の職場環境改善には、「おじさん」たちを巻き込め!

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今回の論文:Avivah Wittenberg-Cox (Jul 21, 2017), “How Royal DSM Is Improving Its Geographic and Gender Diversity,” Harvard Business Review https://hbr.org/2017/07/how-royal-dsm-is-improving-its-geographic-and-gender-diversity , Jul 21, 2017

 

女性活躍推進が謳われ始め、しばし時が過ぎました。欧米では随分前から「ダイバーシティ」に対する取組みが行われており、ダイバーシティの推進は企業業績の向上につながるとの論調も見られます。

 

本日紹介する記事は、オランダのとある企業での教訓です。そのうちの1つが、とても興味深いものでした。それは

 

「自社で多数派を占める国籍の、男たちを巻き込め」

 

です。事例に上がっている会社ではオランダ人の男性でしたが、

 

これを日本の会社に置き換えれば

 

おじさんたちを巻き込め

 

ということになるでしょうか。

 

私も様々な日本企業のコンサルティングに関わっていますが、現実問題として、まだまだ経営の意思決定の中枢にいるのは男性、しかも50歳以上という会社が多いようです(もちろん会社による違いは大きいのですが)。また、数で言っても男性の方が多数派であることも多いでしょう。

 

そのような組織では、どうしても男性の巻き込みが重要になります。理想は意識の根底から変わることでしょうが、年を取れば取るほど、人の価値観はなかなか変わるものではありませんので、何とかして「行動」を変えてもらうことが重要になります。

 

ジェンダー・ダイバーシティ推進というとどうしても女性に目が行きがちですが、実際には男性に目を向ける必要がある。そんな、誰もがちょっと引っかかっていかもしれないポイントに、この論文はフォーカスを当ててくれたようです。