書評:10年後も雇われ続けるために必要な力

Home/働き方、そしてキャリア/書評:10年後も雇われ続けるために必要な力

今回の書籍:「10年後、君に仕事はあるのか? 未来を生きるための『雇われる力』」藤原和博著、ダイヤモンド社 2017年2月13日電子版発行

 

「よのなか科」で著名な藤原和博氏の最新作です。

 

AIが普及するこれからの世の中、「雇われる」ために必要な力は何なのか?筆者が語っています。

 

「雇われる力の基本は人柄と体力」

 

という言葉に目をやると、今まで言われてきたことと何が違うんだろう?という気がしてしまいます。しかし筆者が語っている「人柄と体力」とは「基礎的人間力」のことだそうです。それが土台となって、他に2つの力があります。それは「情報処理力」と「情報編集力」です。

 

「基礎的人間力」「情報処理力」「情報編集力」 この3つを筆者は「生きるチカラ」と呼んでいます。

 

「情報処理力」とは「知識・技能」のことであり、従来の国語や数学といった科目の学習で養われる力。

 

「情報編集力」とは「思考力・判断力・表現力」のことであり、その中身は「5つのリテラシー」からなります。

 

「5つのリテラシー」とは、

 

  • コミュニケーション
  • ロジカルシンキング
  • シミュレーション
  • ロールプレイ
  • プレゼンテーション

 

のことだそうです。この「情報編集力」こそが、筆者の新しい視点かもしれません。と言っても、これは社会人にとってはもう何年も前から言われてきたこと。本当に新しいのはこれを「中学校や高校という教育現場に持ち込んだこと」なのではないでしょうか。

 

これまでの大学入試はある意味「情報処理力」を中心に測定する試験だったかもしれません。実際に社会で必要とされる人間になるにはそれだけではなく、「基礎的人間力」「情報編集力」も必要です。

 

ただし、3つすべてが優秀である必要はない、というより、それはほぼ不可能です。「基礎的人間力」を身に着けたうえで、何か得意技を身に着けるべきなのではないでしょうか。そのくらいの気持ちでいた方が、日々楽しく生きて行けそうです。^^